MENU

第59話 「仏の顔も三度まで」|データベースの開発・構築ならデジログへ

English

ア ク セ ス

第59話 「仏の顔も三度まで」

先日、久々に昼飯しを外食した時の事。
このところ、昼食は会社で自炊(?)することが多いため、銀行等の昼時に外出するタイミングによりたまに外食をする。
その店は、首都圏、北海道に数十店舗を展開する魚料理を中心とした居酒屋チェーン店であるが、昼はランチ営業し、広い店内は昼時でもゆったりできる上、食後のコーヒーもセルフサービスで飲み放題なのもうれしい。
店員さんにはほとんど笑顔が無いが、海鮮を中心に品数も多く、安くそこそこに旨いので使うことも多い、のだが・・・。

案内された禁煙席に座り、日替わりの「焼き魚定食」(この日はサバの塩焼き)を注文する。
注文を受けた店員さん、オーダーを注文端末(ハンディーターミナル)に入力し席を離れる。
いつもは女性店員が多いのだが、珍しくこの日、フロアーにいた多くの店員さんが見かけない男性ばかりで、やたら人が多い。
時期的に研修でもしているのか?

ふとよぎる不安。
この店では、ランチの注文が通っていなかったことが過去2度ある。
(一度は、最悪の事に連れて行ったお客さんのランチが出てこなかった)

ここは、ランチタイムは比較的早く料理が出来上がり配膳される。
ほとんど場合、新聞を広げて一つの記事を読み終える前に届くことが多いが、果たして、焼き魚定食は・・・。
あに図らんや、ほぼいつもと変わらないタイミングで運ばれてきた料理は、
「刺身定食」。
「焼き魚定食をたのんだのだけど・・・」
注文をとった方と異なる店員さん「あっ、すみません。」と何の確認もせずに、躊躇なく慌ただしく刺身定食を持ち帰る。
もし、私の「焼き魚」が「刺身」に単純なオーダーミスだったら、そのまま刺身定食でも良かったのであるが、伝票も確認せずにサッサと持ち帰える、その動きの早さから、
恐らく持って行く席を間違えたことに気が付いたのだろう、と推理。
しかし、始めによぎった不安が更に膨らむ、
がオーダーミスであるならば一応オーダーは入っている、ということか、
とことさらに不安をかき消す。

その後、次の新聞記事を読み終えても一向に何も来る気配が無い。
同じ頃に入店した左隣りの席の女性は、この店名物「ザンギ定食」をほとんど食べ終わる状況の中、3つ目の記事を読み始めるも、もはや記事などに集中できない。
一応声を掛けようか、後どの程度待つべきか?
仮に、さっきの「刺身」がオーダーミスで、それから作り直したとすればもう来る頃だろう。
ただ新聞の文字を追うだけの視線の横で、店内の様子をうかがう。
ランチタイムらしく、慌ただしく動き回る店員達。
斜め向かいのサラリーマン風の男性3人組は、食べ終えた空の食器を前に、談笑しながらコーヒーをすすっている。

「やはり、3度目か・・・!?」

そんなことをあれやこれや思い巡らしている時、店員さんが料理を運んでやって来る気配を感じ、
「遅~い!」と心の中で叫んだ、その気持ちも更に裏切るべく、
私のすぐ前を通過し、右隣りの席のお客さんに特大の「穴子天丼定食」が置かれたのである。
このお隣さんは、刺身定食事件の頃に来店されたお客様である。
一瞬畳みかけた新聞を開きなおすも、一度大きく深呼吸をして店員さんを呼び止める。
「すみません!」
  「あ、はいっ」
「私の注文はまだ出来ないのでしょうか?」
  「はぁ?」
一瞬驚いたような仕草で、伝票を確認する店員さん、
  「すぐ確認します」という言葉を残し厨房方面に消えて行った。
その後、何も無いまま待つこと約記事一つ分、
やっと「サバの塩焼き」が届くが、その店員さん、何も言わずに置いて直ぐに立ち去ろうとするので、
「チョット!」
ことさら落ち着き、冷静に、ゆっくりと、声を落とし・・・、
「この注文、忘れていたのですか?」
始めにオーダーを取ったのでも、「刺身定食」を持ってきたのでも無いその店員さん、
何を言われているのかわからない様子で、
あたふたしながら、
  「あぁ、あのぉ・・・、すいません・・・」


海外の見ず知らずの大草原で一人ぼっち置き去りにされたような錯覚にとらわれる。

外食率(昼食の)も高くなく、その中でもこの店で食べる割合は3~4回に1回あるか程度の割合で、3回も注文を忘れられる店等あるだろうか。
更に、その後の対応から、各店員さんの応対までがひどすぎる。
恐らくは、私以外でも同様の事案が発生していることは容易に想像できる。



今や、少し大きめの飲食店では普通に目にする「飲食店用オーダーシステム」。
30年程前システムの出始めの頃から、何度かその開発に携わったこともあり、メーカーの差こそあれ、その仕組みは良く知っている。
その使い方さえ理解すれば、大量のメニューや金額等を覚える必要もなく、新人でも誰でも簡単に、確実に注文をとることができる、非常に便利なツールであることには違いない。
今回、恐らくいくつかのミスが重なり、店員同士の連携も出来ていなかったものと推測するが、それらをオーダーシステムの運用方法を見直すことで改善することができるであろう、
が、何よりも問題は、
システム以前に、サービス業でありながら「接客」がまるで出来ていないことである。
仮に研修中の慣れない店員さんがいたとしても(定かではない)、
厨房のそばの席ということもあり多くの店員が行き来しているのに、誰一人として、いつまでも、半分お茶の入った湯呑だけが寂しくポツンと置かれたテーブルに、違和感を感じないのであろうか?
便利な道具を使いこなす以前に、その時にいた多くの店員たちの一人でも「接客」の気持ちがあれば、たとえ何らかのミスがあったとしても、このような事態にはなっていないであろう。


数年前、最初のオーダーミスがあった直ぐ後に、新宿西口にある同じチェーン店に「飲み」に入ったことがある。
その時にいた店員さんが以前オーダーミスした本人だったことに気づき、
(近隣のチェーン店同士で店員の貸し借りがあることは珍しいことでは無い)
その時も、持って行く席を間違えている状況を目撃した時、その店員さん個人の資質の問題かと思ったが、
そうではないようである。

私がその店の責任者であれば、ハンディーターミナルの使い方より、まず第一に「笑顔」から教えるのであるが・・・。

「二度あることは三度ある」というが、
「仏の顔も三度まで!」
もうこのチェーン店には二度と・・・、暫くは行かない・・・?


日付2018/04/19

投稿者半澤 透

ブログ-四方山話-



PAGETOP