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第47話 ながら族|digilog Blog データベースの開発・構築ならデジログへ

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第47話 ながら族

いつの頃か記憶は定かで無いが、「ながら族」という言葉が流行ったことがある。
その言葉の通り、何かをしながら他のことをやる人たちを称して「ながら族」と呼んだ。
当時、学生だった私は、深夜ラジオを聴きながら勉強をしていることも多かったが、そんな状態も「ながら族」と称され、どちらかといえば否定的に使用されていた。
すなわち「一つのことに集中しなさい」、「○○しながらじゃ勉強に集中できないでしょ」。
もっともなことだと自分でも理解していた。
眠気を覚ますために「ラジオ」を付けているのだが、面白いネタの話しになると勉強どころではなく、そちらに耳を傾けることもよくある。
これでは当然勉強に集中しているとは言えない。
しかし、先般ある情報番組で取り上げていた昨今の小学生の中学受験生事情、
勉強しやすい静かで一人集中できる個室より、周りでテレビが鳴りお母さんが忙しなく家事に動き回っている環境のほうが、勉強に集中し、結果難関校に合格している子が多いとか。
このケースにおいて、その本人にとっては「何かをしながら」というわけではなく「ながら族」とは異なるが、
最近の脳科学の世界では、複数のことを同時並行して処理できる能力として「ながら」は脳を活性化させるという研究結果もあり、幼稚園でも既にそれを取り入れた教育を実践しているところもあるらしい。
なるほど、「ながら」もまんざら悪いことばかりではないようである。

 

この「ながら族」という言葉は今や「死語」であろうが、ここ最近大ヒットしたスマホゲームにより言葉を変えて復活した。
言わずと知れた「ながらスマホ」であるが、これに関わる事件、事故が後を絶たない。
事実私も中学生の「ながらスマホ」自転車に、交差点でぶつかられたことがある。
また、日々必ず遭遇するのは、電車の乗り降り時であり、それによるトラブルを目にすることも常である。
こちらの「ながら」はその本人達の脳の活性化は別に、他人を巻き込むのでたちが悪い。

私は、基本的に何かをしながら他のことをすることが苦手である。
特に仕事以外では極端である。
片手で食事をしながらスマホをいじっている人、雑誌を読んでいる人を多く見かけるが、私がそんなことをしようものなら、テーブルや衣服を汚すのがおちである。
そもそも私の脳がマルチタスクに向いていないのであろうが、
注文して食事が出てくるまでの間「本」を読んでいても、読みながら食事することはできない。
食事マナー面は基より、まずは本は本で楽しみたいのと同様に、食事自体も楽しみたいのである。
それを同時並行にすることで、双方とも楽しみが減ってしまい損をした気になる。
食後のコーヒーも同様、コーヒーを飲むときはいったん本を置き、コーヒーをすすってまた本を開く。
本に熱中してしまうと、コーヒーが冷めてしまっていることもままあるが・・・。

さて、つい先週のことであるが、朝、いつもの通勤路を駅に向かって歩いている時、
凄い奥儀を持つ「ながら族」を発見した。
前を歩くOLさんと思しき若い女性。
遠目にもなにやら歩き方が不自然に見える。
基本、私は早歩きのため、すぐに追いつき、少し間を開けて追い越す。
その追い越し際にちらりと彼女を見ると、
なんと化粧をしながら歩いているのである。
思わず、失礼ながら二度見をしてしまったが、そんなことも我関せず、
トートバッグやらを肩に掛け、左手に鏡、右手にライナーらしき何かを持って、目元辺りを細工している。
繰り返しになるが、止まっているのでは無い、歩きながらである。
もはや、これは職人技!
あるいは「アスリート」と言っていいかも?
その化粧の出来栄えを確認することはできなかったのは非常に残念であったが、
凄いモノ(失礼)を目にした。

これには職人技(?)的には及ばないが、もう随分と昔に見かけた「ながら」のツワモノを思い出した。
昼食時、外出先でたまたま入ったカレー専門店でのこと。
時間は14時近く、5つ程のテーブル席が並ぶ店内には30歳半ばくらいのサラリーマン風男性が一人、カレーを食べていた。
案内された席に着き入口の黒板に書いてあったセットメニューを注文をする。
その先客の男性とはテーブル2席を挟んで相対する位置である。
否応なく目にした光景に驚く。
その男性、カレーを食べながら、漫画雑誌を開き、その上携帯電話で会話をしているのである。
先にも書いたが、カレーを食べながら雑誌を読む姿はよく目にする光景であるが、その上に、携帯電話を耳に当て会話をしているのである。
そのうちに、今度はなんとタバコを取り出した。
カレーはまだ3分の1程残っているがもう食べないのであろうか。
タバコに火を点けたほんのわずかな時間は、スプーンを置き漫画から目を離したが、タバコを大きく一服吸い込むと、驚いたことにまた電話で会話をし、雑誌を読みながらカレーを食べ始めたのである。
これは、「何ながら」というべきか?
私が目撃した「ながら行為」は4番目の「タバコ」からであることから推測し、おそらく、まず雑誌を読み始め、そのうちに運ばれてきたカレーを食べ、その後にかかってきた電話で会話を始め、その会話からちょっと一服タバコを吸いたくなった・・・。
そんな経緯はどうでも、「読む」行為以外は口が使われている訳だが、食べながら、話しながら、吸いながらの行為を器用(?)にこなしている。
その時の彼の脳はどのような欲求行動に動かされているのであろう?
電話の相手もその当人が食事中であることは容易に認識できる筈であり(漫画を読んでいるまでは想像できまいが)、かけなおす等の配慮もできるであろうに。
感心(?)しながら見ていると、まず電話が終わり、その後はもぐもぐと食べながら、読みながら、吸っている。
余程忙しいのか、それとも類い稀なる特別な脳の持ち主か。
(もしや、カレーの味を引き立たせるタバコ?)
そんな私の勝手な観察をよそに、カレーを食べ終えた彼はセットのコーヒーを飲みながら、また次のタバコに火を付けた。
「ながら」はともかく、私の周りにもヘビースモーカーはいるが、まさに食事中にタバコを吸う人間を見たことは無かった。
その時の衝撃的な映像は今でもはっきり記憶しているが、そのせいでか、その時のカレーの味は全く覚えていない。

 

 

そういえば、私にも友人に感心されるマルチタスクがあった。
それは朝の排便時、同時に歯磨きができることである。
これを同時に行おうとしても、どちらかに集中すると片方が止まってしまう、らしい。
私にとって、朝の忙しない時間を有効に使うため、自然に身に着けたものであるが、
誰もができることではない、らしい。

 

どうでもいい話しのおちで申し訳ありません。

日付2016/10/06

投稿者半澤 透

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