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第11話 ルール? マナー?|データベースシステムのデジログ/digilog

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第11話 ルール? マナー?

昨今、喫煙者を取り巻く環境は益々厳しくなっている。
飲食店でも全面禁煙の店も増え、都心では歩行禁煙が珍しく無くなってきた。
この環境は、元からタバコを吸わない私にとっては、大変喜ばしいことであるが、
愛煙家にとってはかなり肩身の狭い思いであろう。

私が住む東京都杉並区では、2003年10月から施行されている「生活安全及び環境美化に関する条例」により、区内全域で歩行喫煙を禁止している。
特に、2009年10月から、路上禁煙地区(駅前等人の密集する地域)を定め、違反者には過料を科している。
そんな事情からか、先日早朝、緑地公園内の散歩で、ある場面に出くわした。
当緑地公園は、川沿いを利用した約185,000平方mの広さで、緑も多く、都心部としては自然豊かな公園である。
その公園内の片道1.5Kmで折り返す約1時間のコースを、毎朝愛犬ムサシと歩くのが私の日課となっている。
早朝ではあるが、ジョギングをする人、太極拳やラジオ体操をする人、楽器を奏でる人など、
皆それぞれが一日の始まりを思い思いに過ごしている。
そんな中、私の少し前を一人の初老の男性が、のんびり歩きながらタバコをくゆらせていた。
街中でも店でも、また家でも喫煙場所が無く、一人気ままに自然の中で思う存分タバコを楽しんでいるのかもしれない。
林の中、漂ってくるタバコの臭いを嗅ぎ、
遠い昔に、親父と連れ立って高尾山に登った時、親父が疲れて休む言い訳を
「ちょっと一服」と杉の木立の下で美味しそうにタバコを吸っていた、
そんな懐かしい香りを少し感じていた。
そんな時、前から自転車で走ってきたやはり初老の男性が、
自転車を止めタバコの男性に注意を始めた。
「歩きタバコは禁止ですよ!」
  「えっ? ここは公園ですよ」
「杉並区は全域が禁止になったんです!」
  「こんな場所でもダメなんですか?!」
タバコの男性、何か言いたげだったが渋々携帯灰皿でタバコをもみ消した。

確かにルール(条例)ではそうかもしれない。
でもマナー的な観点から、早朝の公園で人混みでも無い場所で
のんびり喫煙を楽しむことはいかがであろうか?
私も、マナーの悪い喫煙者達に嫌な思いをし、
実際に人混みで火傷をしたことも一度や二度ではない。
特に体調が優れない時など、前を歩く喫煙者の無遠慮な煙と灰で吐き気を抑えきれないこともある。
マナーを守らない(知らない)人たちがいるから、それを規制するためのルールができる。
前述の自転車の男性がどんな思いで注意したのかは定かではない。
過去に何らかのいきさつがあったのかもしれない。
ただ、単に「ルール違反だから注意をする」のではなく、
そのルールの意味、本質が大切なのではないだろうか。

タバコのマナーとルールについての話題をもう一つ。
これは、私とある友人の中で未だに解決(?)していない「話題」でもある。

娘が5歳になった年の事である。
ご近所に住むアトランタ生まれのアメリカ人「スコット家族(夫婦 + 娘:5歳)」と、
東京郊外にあるテーマパークに遊びに行った。
スコットとは娘どうしが同じ年であることもあり、休日都度よく遊びに出掛けていた。
この日は、連休中ということもあり、テーマパークは通常以上に混んでいたため、
午前中の遊びもそこそこに早めに昼食をとることにしたが、皆考えることは同じで、
レストラン内はどこも満席状態、人が溢れかえっている。
そこに幼稚園にあるようなちっちゃな椅子が所狭しに雑然と置いてある。
しばらく待ち、席が空きやっと座ったところが喫煙席だった。
うちもスコット一家も誰もタバコは吸わないが、この際いたしかたあるまい。
そんな思いで食事をとっていると、白い煙がプ~ンと漂ってきた。
真後ろの家族連れのお父さんが食後の一服を始めた模様。
もちろんそこは「喫煙席」、誰の目をはばかることなく喫煙を楽しめる場所、のはず。
ところが、スコットが怒りだし、後ろのお父さんに注意をするではないか。
「コドモ ガ イルノニ ダメヨ、タバコ!」
  「えっ、・・・? ここ喫煙席よ!」
「キツエンセキ カンケイナイ、コドモ ガ イルソバデ タバコ ダメ! マナーョ」
  「・・・?」

私も少々面食らったが、一理ある気もしてきた。
この場面、ルールを破っているのはスコットである。
喫煙席で「タバコを吸うな」と言っている訳である。
しかし、マナーという観点でみたらどうだろうか。
バーゲン会場さながらの人混みで、狭い場所に押し込まれ、
まともに食事をとるスペースも確保できない状態で、喫煙席もあったものじゃない・・・。
がそこはまがいなりにも「喫煙席」。
時と場合によるが、私も、この状況では注意はしないであろう。
もっとも、「儲け優先」の施設側に問題があることには間違いないが。

後日、
「アメリカ人は違うな。子供の健康を守るためには、ルールなんて関係ないんだ」
等と、あくまで軽い話題としてある友人(ヘビースモーカー)に話をしたところ、
「とんでもない、アメリカこそルールの国。喫煙する権利もあり、だからこそルールがあるのに
それを自ら破って注意するとは何事だ!」

その後、争点がかみ合わないまま不毛な議論が続き、
その日はバーで朝を迎えることとなった。

友人が言っていることはもっともなことであろう。ある観点から見れば正しい。
だからこそ私も驚いて話題にしているのだ。
スコットも深い意味もなく、単に「もんく」を言っただけかもしれない。
その注意したことの賛否はともかくとして、またルールやマナーもさておき、
人どうしが接し、少なくともその一瞬はかかわりを持つ時、お互いがお互いを思いやる心、
まずはそれが大切なのではないかと、今更に思い出す一件である。

その友人とは、いまだにその話題になると平行線の議論が続くことになる。(笑)

ちなみに、当社事務所は禁煙であるが、別に喫煙ルームを設けて排煙機も設置している。
しかし、当然ではあるが禁煙を奨励しており、
禁煙達成者には「禁煙賞」として金一封を進呈している。
現在のところ受賞者は若干2名。
「金一封」のために禁煙をするわけではないであろうが、
それがきっかけの一助となれば幸いである。

今頃、スコットはアトランタでクシャミを連発しているに違いない。

日付2011/12/10

投稿者半澤 透

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